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(図-2)の開発を進めている。
2023年度は以下の内容を実施した。
・本手法により適した接着剤を選定するための
室内試験
・応力評価の方法を確立するための感度試験や
応力解析の方法の検討
・2022年度の試験結果をふまえた、ひずみ計貼
付装置や掘削ツールス等の製作や改良
・改良した測定方法の検証のための室内及び現
場での実証試験
図-2 円錐孔壁ひずみ法の概要図
2022年度に実施した室内試験や現場試験の結
果、ストレインセルの岩石や岩盤への接着が不十
分であることが判明したため、開発する測定手法
により適した接着剤の追加調査を行った。水中で
接着でき、硬化後の接着剤の剛性が対象岩盤の剛
性に近く、可使時間が 1 ~ 2 時間程度のエポキシ
樹脂接着剤を調査したところ、2022年度までに使
用していた HIC 接着剤や三菱ケミカル社製のヤン
グ率277MPa 程度となる配合比のエポキシ樹脂接
着剤に加えて、新たに 2 つの接着剤(コニシ社製
のエポキシ樹脂 E205、アルファ工業社製のアル
ファテック380FX)が候補として抽出された。ま
た、三菱ケミカル社製のエポキシ樹脂接着剤の配
合を変えて硬化後のヤング率が異なるものを 2 種
類候補として追加した。再選定試験に用いた接着
剤一覧を表-1に示す。
これらの候補接着剤を対象に、岩石への接着試
験、接着剤供試体の物性試験、ひずみの測定感度
の比較試験、接着剤の硬化特性の確認試験等の結
果に基づき、⑤のコニシ社製エポキシ樹脂接着剤
(E205)が本測定法の接着剤として最も適してい
ると判断した。
これと並行して、感度試験と応力解析の方法の
検討、ひずみ計貼付装置や掘削ツールス等の製作
や改良を進めた上で、改良した測定方法の検証の
ための室内及び現場での実証試験を実施した。
室内検証試験では、新たに選定したコニシ社製
のエポキシ樹脂接着剤(呼称:コニシ e205)を用
いて、大谷石と六ヶ所の軽石凝灰岩の 2 種類の岩
石ブロックを使った室内試験を行い、新たな接着
剤の適用性や応力解析結果の妥当性を確認した。
表-1 再選定試験に用いた接着剤一覧
200mm
60mm
100mm
オーバーコアリング長 360mm
パイロットコアリング長 800mm
φ 36mm
440mm
10°
データ
ロガー
エポキシ
φ 116mm
φ 92mm
φ 56mm
呼称 メーカー 接着剤名 可使時間 硬化時間 比重 ヤング率E 備考
(min) (h) (MPa)
① HIC接着剤 Earth Sciences HIC接着剤 - 20~30 16 1.6 4220 昨年度の室内試験で使用
② ケミカルE277 三菱ケミカル
エポキシ樹脂
jER_ST
- 40~ 24~ 1.1 277
昨年度の室内・現場試験で
使用。ストレインセルのエポ
キシ樹脂部分と同じ材料から
作製
③ ケミカルE548 同上 同上 - - - 1.1 548
接着剤②の混合液の配合比
を変えたもの
④ ケミカルE125 同上 同上 - - - 1.1 125 同上
⑤ コニシe205 コニシ
エポキシ樹脂
E205
130±20 45±10 24 1.1 1100
コンクリートひび割れ補修や
崩壊しやすい岩石試料の充
填整形に使用されているもの
⑥ アルファテック アルファ工業
アルファテック
380FX
550 58 - 1.2 -
硬化物は柔軟性を有してお
り、動きのあるコンクリートの
ひび割れ補修に適したもの
No.
粘性
(mPa・s)