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10.その他の地層処分に関する調査研究
その他、高レベル放射性廃棄物、TRU廃棄物
の地層処分に関する以下の調査研究を行った。
(1)高安全・核セキュリティ及び低廃棄物処分負荷
を同時達成する中小型軽水炉に関する研究
事故耐性燃料の一つであるケイ化物燃料を中
小型軽水炉に装荷した場合の炉心核熱特性、核不
拡散性、使用済燃料再処理、及び放射性廃棄物負
荷低減効果を定量評価する 2 か年計画の初年度
として、既往研究成果の調査と関連特性に関する
予備解析を行った。
(2)代替粘土材料を用いた埋戻し材料の小規模施
工試験
国の基盤研究や原子力発電環境整備機構(NUMO)
の技術開発で整備される埋戻し材の材料特性に
係る基盤情報を補完・拡充することを目的として、
代替粘土系材料(非膨潤性粘土材料)の埋戻し材
としての適用性の評価に取り組んでいる。2021 年
度までの取組をとおして材料としての見通しが
得られたことを踏まえ(期待する透水性能が得ら
れる可能性)、施工性の確認に向けて、2022 年度
からの 3 か年計画で混合土の材料条件等をパラ
メータとした小規模な施工試験に着手した。
(3)緩衝材及び埋戻し材を対象とした再冠水過程
の評価
地層処分場の過渡期における性能評価の精度
の向上に向けて、再冠水過程における緩衝材と埋
戻し材の浸潤状況の把握及び浸透解析の妥当性
の確認に資する実験データを取得・整備する計画
である。3年計画の初年度である 2022 年度は、
横置き PEM 方式に着目して、PEM 容器のバリエー
ション(設計仕様の違いによる浸潤環境/境界条
件の違いやフィルタや多孔質媒体の有無)に留意
しつつ、試験計画及び室内要素試験装置の設計を
行った。
(4)ガス発生量の低減が可能な廃棄体パッケージ
充填材の調査
廃棄体パッケージの内部充填材について、後打
設方式での施工を前提とした、放射線分解による
ガス発生量の低減が可能な内部充填材の候補材
料を選定し、これまでに得られている物性等のデ
ータを調査するとともに、内部充填材として適用
可能性を確認するにあたり必要な試験項目等を
整理した。また、従来の低レベル放射性廃棄物の
固化処理に利用されているポルトランドセメン
トをはじめとするセメント系材料と比較して、よ
り発生量の低減できる可能性のある廃棄物の固
型化材の候補材料について情報を収集した。
(5)白金族元素(PGM)マネジメントを中心とした
核燃料サイクル・ガラス固化に関する研究
核燃料サイクルの全体最適化・分野横断研究と
して、高レベル放射性廃液から PGM分離を技術オ
プションとした MOX 燃料、再処理、MA 分離、ガラ
ス固化、地層処分の影響について概念検討を行っ
た。
(6)高レベル放射性廃棄物等の安定化・高含有固化
技術の研究
高レベル放射性廃液の仮焼体を用いた高含有
固化方法について、模擬仮焼体の作製と粉末冶金
法を利用した固化体の試作を行った。