放射性廃棄物の処分について

余裕深度処分対象低レベル放射性廃棄物の発生量及びその見込み

 原子力発電所から発生する余裕深度処分対象廃棄物には、発電所の運転中に発生する廃棄物と、原子炉の解体に伴って発生する廃棄物とがある。運転中に発生する廃棄物として、燃料集合体の外側を覆うチャンネルボックスや、定期検査の時に取り替えた制御棒等の金属廃棄物等がある。これらは放射化金属と呼ばれ、燃料の近傍で中性子照射された比較的放射能レベルの高い廃棄物に相当する。また運転中には、放射性廃液を集めて濃縮した濃縮廃液や、原子炉水の浄化等に使われたイオン交換樹脂(使用済み樹脂)など、放射化金属以外の比較的放射能レベルの高い廃棄物が発生する。

 また、運転を終了した原子炉施設の解体に伴って、原子炉の炉心近傍の炉内構造物など、中性子照射された放射化金属等が発生する。原子炉施設の解体に伴って発生する余裕深度処分対象廃棄物は、110万KW級の軽水炉を40年間運転した軽水炉においては、およそ100∼200トン程度発生すると推定されている。  こうした原子炉施設の運転中あるいは解体に伴って発生する余裕深度処分対象廃棄物の累積発生量を、一定の条件のもとに試算すると、2030年時点で約5万トン、容量にして約2万m3と推定されている。

【注】
放射化金属:金属材料に中性子が照射されることによって、金属材料を構成する原子の一部が放射線を放出する性質をもつ原子に変わったもの。

原子力発電所の運転中に発生する余裕深度処分対象低レベル放射性廃棄物の例

●沸騰水型原子炉
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●加圧水型原子炉
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原子力安全委員会低レベル放射性廃棄物埋設分科会(第1回)配布資料より

GCR原子力発電施設の解体で発生する廃棄物例

日本原子力発電(株)提供

余裕深度処分対象廃棄物の2030年時点での累積発生量の試算結果

(単位: ton )
実用発電用
原子炉施設
重水炉「ふげん」高速炉「常陽」
運転廃棄物39,000200300
解体廃棄物11,000400300
合計50,000600600

【出典】

  1. 「現行の政令濃度上限値を超える低レベル放射性廃棄物処分の基本的考え方について」 平成10年10月、原子力委員会、原子力バックエンド対策専門部会
  2. 「低レベル放射性固体廃棄物の陸地処分の安全規制に関する基準値について(第3次報告)」 平成12年9月 原子力安全委員会